変われる状態であること
ルーターかわりにするために用意したスマホ。バッテリがあまりにももたないので、普段は電源を切るか、どこまで効果があるかわかりませんが、マーケットからダウンロードした節電設定のアプリで最小限度に。そのために、日中はほとんど操作しませんが、充電中はバッテリの心配がないので、「社説リーダー」と新聞社の閲覧ソフトをいくつかインストールし、早朝に自動読み込みを設定しました。
社説リーダーはなかなか便利。パソコンで似たようなことをしていましたが、スマホで受信は、持ち出せます。それこそ、電池の心配をしながらではありますが、多数の新聞の社説とコラムを読めるのは、朝の情報収集としてはかなり重宝です。
成人式、ということもあって、各紙とも、新成人に向けたような内容のコラムが多くありました。気にとまった傾向は、今の若者は発言をしない、ということ。中でも若者が読むならば読みやすかっただろうと思うのは朝日のそれは印象的で、尾崎豊が最近の若ものには理解されていない、というたとえを出しての展開。
ただ、私も10代のころ、同じように思っていました。この人、何いきがっているの? とか、不満だと思う暇があれば他にやることがあるだろう…、不満があるからって法律を破っていいの…etc.と、同時に、不満を小さな自分がかえられるという幻想をもつくらいならば、今の仕組みの中でどうやって生きるのかを考える方が得策でしょう? そして、朝日の記者が書いているとおり、何が不満かわからないと、「卒業」を聞いては思っていました。
私も、(フォーク路線でいえば、海援隊の)「そろそろ人生真ん中あたり」を過ぎたので、もはや「最近の若者」というコトバがおかしくない世代になった(ってしまった)と思いますが、最近の若者は、「いい子であること」がすべてではないか、という印象があります。
不満は、いい子を装った範囲で、外に示さないで、中で育てていく。あるいは発散していく。
大学を卒業したころでしょうか。当時の小学校低学年の子どものインタビューとか、身近な彼ら・彼女たちの言動をみると、「どう答えると大人が喜ぶか」で答えているように感じてなりませんでした。前の日記でも一度書きましたが、北朝鮮のインタビューを思い起こすような。「金日正万歳」と、とりあえず口ではいっておく。というレベルで。教育が行き届いているから、日本の子どももそれなりに丁寧語を使って回答します。それをみて、回答の内容はもとより、「礼儀ただしい」と褒めたたえて、子どももそれでなっとくする。
そんな環境であったとすると、そんな環境で育った子どもが、今の若者(今年成人の皆さんは、もう少し下の世代になりますが)です。
発言をしないのは、発言したくないわけではない。昨日の統計記事によると、日本をかえたいと思っている若者は多数いるそうですから。かえたいのに発言しない? ここに矛盾もあります。
「発言」は、本日の新聞コラムでは、限られた部分をいっていると思われます。昔ながらのメディアで、あるいは、選挙という場での発言、という意味に限っていないでしょうか。(以下、「」つきはこの限定的な意味)。
何よりも、かえたい=不満があるのに発言の場などの捌け口がないのは、いつか爆発します。「本当の」発言の場がみつけられるのかどうか。それは気がかりです。
また、発言しないのは、いろいろな理由があるとも考えられます。まさか「男は無言実行だ」などと古き良き日本男児を気取って発言しない若者はいない(またはごく少数)とは思いますが、上記のように、他の発言の場で発言しているか、というのもあるでしょうし、実は私はそうだったのですが、「発言には責任が伴うから心配で発言できない」、という理由もあるでしょう。そして、新聞コラムが心配しているであろうこととして、「冷めている」あるいは「あきらめている」からという理由もあるかもしれません。
私的には、私が今の若者だったらきっと、「発言」すると責任を問われるし、自信もないから、日本をかえることよりも、今の仕組みの中でどうするのかを静かに考えて、(ときどき匿名のブログで発言して発散しながら)自分なりの価値観を満たしてシアワセ気分を味わおう…とでも考えるのでしょうか。
例によって結論もなにもない日記ですが、「発言」の有無はともかく、変えたいと思っている若者が多いことは歓迎したいと思います。また、「発言」があるかどうかはともかく、東日本大震災のボランティアには、相当数の「若者」が関与したそうですから、静かながらも実行力も備えていると期待はできるように思います。
朝日の天声人語の方では、「今どきの若者」という小言が、ソクラテスの時代からのリレーだ、と表現していましたが、意思疎通がありますから、小言はよし。その意思疎通のある中で、制度(含む法律)も、習慣もかわれる状態にあることが必要があると思います。
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