2012年 11月 6日 (火)
名前をつけること
うっかりこちらに書くのを忘れてfacebookにしか書きませんでしたが、中小企業庁が「おもてなし経営」というもので、また旗振りをしています。
こういうご時世なので、いろんな企画を作るのは大歓迎ですが、乱立もいかがなものかと…。
よくいえば「ブレ」ていないというところでしょうか。
さまざまな「○○経営」をみていくと、切り口というか入口が違うだけで、すぐに同じ部分に合流しているような気がしてなりません。
さて、それはさておき(さておきなんですが、少し関係もするかもしれないので、冒頭に書いたわけですが)、名前をつけるということは、実はすごい切り捨てとまやかしをしている、ということ。ちょっと考えれば当然なのですが、そんなことを、大学時代、一般教養の哲学の講義で思う瞬間がありました。
もちろんなんでもビジネスになり、なんでも応用できるわけで、だからこそ、ネーミングで勝負、なんて路線もあるわけですから、切り捨ては今流行りのコトバでいえば、「集中と選択」で、集中をしたわけですし、まやかしという側面も、考えようによっては、画一的にするのではなくファジーなものとして、あるいは、縦割りを横断的に、固まりとしてとらえていくことになるともいえるでしょうか。そうすると、あながち悪いことでもないかもしれない。
ただ、その名前にあまりにもこだわりすぎると、前段落の話しは、すべてマイナスに向かいます。集中しすぎて、客観的にみられなくなる可能性もありますし、他の価値を見落とす可能性があります。曖昧すぎて、何が本質か、何が課題かがわからない(あるいは先送り)ことにもつながります。
少し前に、(特に行政書士は)名前のない仕事がこれからは重要になっていく、ということを書いたり話しをしたことがあります。行政書士は、どうしても自分の仕事、業務に名前をつけたがる…気がします。
「○○許可申請」の仕事、なんて言い方や「○○書の作成」etc.。でも、これも実はこの時点でいろいろな切り捨てや曖昧さがあります。○○許可申請は、申請書の作成やそれを物理的に行政庁に提出する作業なんて、微々たるものです。そして、名前をつけたばかりに強調されなくなった部分の仕事こそ、これからは、「○○許可申請」のお仕事をいただくためにも重要になってくるし、そもそもそんな「縦割り」ではなく、複合的に、あるいは混沌としている中から見つけ出す作業こそが、大事になってくるはずです。クライアントはそういう作業も求めている時代になってきているのは、私は間違いないと実感しています。
自分が行政書士なのでそのように表現しますが、これはおそらく、すべての仕事でも同じことだし、別に最近突然にそうなったわけではないことも間違いないでしょう。以前からそうだったのが、少し意識して、あるいは積極的に活用していく時代になったのではないか、という趣旨で。
今朝も、O2Oビジネスについてのご案内が、講読しているメルマガからありました。概略としては、O2Oビジネスなんて、名前をつけるまでもなく、昔からやる人は意識・無意識関係なくしてきているものを、それらしい名前をつけただけのように思います。(ただ、名前をつけたことが悪いという意味ではなく、気づかないでしてきた方に、気づいていただいて活用する契機にはなりえますので)。また、概略としないで厳格にO2Oビジネスを定義して展開するとしたら、切り捨てのリスクの方がはるかに大きいように私は感じます。
そういえば、「枠にとらわれない」なんて言い方もしますが、「枠にとらわれない生き方」「枠にとらわれない経営」とネーミング(あるいは自覚)した時点で、枠を作ってしまっていますよね…。
いつもの答えのないブログですが、少なくとも名前をつけて、何かを推進するにあたり、常に、名前をつけたためにはずしたものの再評価の機会も忘れないでもち続けていきたいと思うのでした。
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