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2012年 12月 11日 (火)

高崎経済大学学術講演・信用金庫の役割を補完するのは…そして、信用金庫は行政書士と同じ??


高崎経済大学経済学会による、本年第4回の学術講演会を聴講してきました。年に4回のこのような講演会をしており、24年度第四回ということです。
タイトルは「地域金融機関としての信用金庫の役割」(講師:森映雄早稲田大学名誉教授)。

私にとって、この1年ほど、金融機関との関係を意識する年度はなく、そもそも日本行政書士会連合会が日本政策金融公庫と3月29日に中小企業支援の提携で覚え書締結。それを各都道府県で各単位会が、という方針により、群馬県行政書士会と同公庫前橋・高崎支店が9月に締結。
ここまでならば、金融機関といっても政府系のそれですからかなり色が違うところ、私の参加する「ぐんま知的資産経営研究会」のアプローチもきっかけとなって、信用金庫と群馬会の間での覚え書締結も準備が進んでいます。

いわゆる「強化法」は、認定機関として商工会・商工会議所や、金融機関を中心に展開し、「ちいさな企業みらい会議」のとりまとめを待つまでもなく地域金融のコンサルタント機能の強化と活用は、国の政策といえます。

そんな中、さて、信用金庫って、そもそも地域金融として何が求められているのか。

そう考えるところでのこのテーマですから、何をおいても聴講したい、というところで、うまくスケジュールを組んでいってきた次第です。

感想としては、やはり時間が短いので、かなり大枠の話しにおわってしまったのは残念なところ。
貴重な統計資料(出典は一般刊行物ですが、それをこのようにまとめたのは貴重)が配布され、それを元に、(結果として)なぜ貸し渋りがあったのか、都市銀行や地銀・第二地銀との本来の役割の違いと、逆に、競合点の解説。このあたりだけでも、ここに関心のある方にとっては価値ある講演だったと思います。

私にとっては、それまでは、事実分析。テーマのとおり、地域金融機関としての役割を掘り下げていただきたい。

時間配分としては、最後のわずか15分になりましたが、ここのテーマに言及され、短くはありましたが、逆にダイジェスト的に、専門外の私にとってはほどよいレベルのお話しとしてきくことができました。

私なりにこの観点からまとめますと、まずは課題(苦言、嫌味と表現されていましたが)として
・リレーションシップバンキングは2つの不確実性に関連してあり、1つ目は経営の不確実性、2つ目は収益性の不確実性。もともと信用金庫の方々が自覚しており(実際に)強みだったのは、前者だったが、後者もあってこそであること。
・零細が相手、役割なのに、信用金庫自身の収益性をとって、規模が大きくなっていないか(これによって、第二地銀と競合)。

それ(この課題)を前提として、まず、2つ目の不確実性への対処がこれからの役割だと。
具体的には、信用金庫の強みとして(それも、相対的強みだと強調されていたと感じましたが)、「(零細相手だからこその)情報優位性」を発揮することを提言されていたように思います。信用金庫の地域特化、取引企業数と取引産業の幅広さから生まれる強みですから、それを活用して、地域の情報の共有化と提供、地域の計画への参画などを期待する、というところに繋がるのでしょうか。
これによって、地域金融としての制約も逃れることができるという側面も紹介されていました。高崎の信用金庫が情報優位性を活用して顧客のマッチングや事業計画の援助をする。そこで、必要な仕入れ先が九州にあれば、地域金融の信用金庫が地域をこえて、九州とのネットワークができる、というような具合です。
それを強化、あるいは、低コストで実現するためには、信用金庫同士の共同、ネットワーク、あるいは中央信金の活用もある。

最後の例えがなかなか秀逸で、よくある「馬を水辺につれていくことはできるが」の例え話。金融政策は、馬を水辺につれていき、馬がのみたければいつでも飲める状況にしておくことまでという例えでした。
では、馬に水を飲みたいと思わせたり、水を飲まないと死んでしまうと気づかせるのは?? と思ってきいていたら、それは産業政策の課題でしょうとのコメントもありました。

さて、最後の馬の例えでいうと、今日のテーマが「金融政策における地域金融機関としての信用金庫の役割」ならば、私も大賛成。でも、「金融政策における」はついていないのが今日の御題目です。
先日出席してきた、中小企業支援施策説明会や、昨今の中小企業庁や経済産業省の施策の流れを考えると、「金融政策の中で信用金庫はがんばってね」だったのが、中小企業の再興、産業の活性化の担い手として、金融の側面だけではなく、より積極的なコンサルとしての地域金融機関・信用金庫を期待する、というあたりにあるように思います。とすると、「産業政策の問題」としてきたところにまで進出することが期待されているのでは? あるいは、信用金庫の生き残り、または信用金庫同士、第二地銀などとの競争力の源泉になるのではないか、と私は思うのですが、いかがでしょう。

その中で、ネットワークは、信用金庫同士だけでなく、地域専門家のネットワークをひろげなさい、というのも、経済産業省の方向性だと感じます。もちろん、ここまですべてを自庫内だけでまかなおうとしたら、信用金庫自体の収益性に限界がくるでしょうから、いわばアウトソーシング、あるいは、地域特性を活かしてのマッチングの役割、情報整理・発信の役割に特化することが期待されているようにも思います。

もちろん、現在の私の立ち位置、行政書士会の立ち位置、中小企業支援者の枠の役割を考えるならば、そのような意識をもった信用金庫さんと協働して、ネットワークを強化して、中小企業支援に向かっていく、というところにむすびつけたくなるから、このように思うのですが、この方向性、基本方針は的ハズレでしょうか。
知的資産Weekや事業承継フォーラムできいた、多摩信用金庫、但陽信用金庫などの取組は、まさにその中心として活躍する仕組み造りの成功例だとも思うので、大きくはずれてはいないと私自身は思いますが。

と、あわせて、信用金庫のポジションって、行政書士と同じだな…と。
たとえば、預貸率や預貯金シェアの分析で、東京都信用金庫協会のアンケート結果を紹介していましたが、結論的には信用金庫のお客様は、中小でも零細が多い。数値的には、20人以下の法人が94%。9人以下にしぼっても78.1、4人以下でも60%程度ということ。先日群馬県行政書士会の研修で、簡単に挙手していただきましたが、行政書士もほとんどが20人以下の事業所が主な顧客です。
そして、地域特性。行政書士は県外や全国、という例もありますが、比較的地域密着です。そして、質より量というとお客様に失礼ですが、ある程度実績を積んだ行政書士事務所になると、接点のある顧客数はかなりの数になります(顧問契約という形が中心ではないからでしょう)。そして、専門特化した事務所は別として、一般には、顧客の業種も多種多様。これらの特性は、信用金庫とまったく同じとの分析。
「地域の中小企業専門の金融機関」のメリット・デメリットという話しもされていましたが、そのまま「地域の中小企業専門の士業」とおきかえて、ぴったりではないだろうか。(ちなみに、大都市圏ではそうでもないという点も共通)。
そして、類似しているからこそ、信用金庫への提言は、行政書士への提言としてもとらえることができる気がします。メガバンクとの違いを活かして(ここは、弁護士との違いを活かして? になるか)、独自性と自らの強みを認識・活用することが不可欠…。

群馬県行政書士会などの単位会と国民公庫の提携は、起業直後や第二起業などの側面で非常に有益だと思うし、有益な提携にしないとならないと思います。
そして、このような共通項がある信用金庫とのつながりというのは、本来はもっと大切に、かつ活用して、強くしていかなくてはならないのではないか、とますます思うのでした。

ところで、最後に、弱い産業への進出にもふれていました。それは、農業。
第六次産業化の流れの中、信用金庫さん、チャンスですよ! そして、その手続の担い手の大きな一角は、われわれ行政書士です、と、もし、行政書士会役員でしたらあの場で発言してしまうな、と思うほど、ここはちょっと驚きの最後の紹介でした。

T R A C K B A C K
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C O M M E N T
コメントしてひとつ補足。
金融円滑化法が終了することにたいして、質問が出ていました。
講師は、私の印象よりも、バブル崩壊後と同じことにならないように策も講じてあり、そのインパクトを小さく推測、あるいは楽観視している印象もありました。
ただ、理屈はそのとおりなので、そのように楽観できる状況になることをなんとなく期待したいところです。
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のんちゃん    [2012/12/11(火) 19:17] [削除]
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