のんちゃん(nongun)の日記

知的資産経営研修(日本行政書士会連合会)雑感

知的資産経営は、決して財務を蔑ろにするものではなく、むしろ両輪として、当該企業の魅力を提示し、課題解決の手助けになるもの。（財務も本来は課題解決の手助けです。決して、税金を納めるためのものでも、金融機関から融資を引き出すものではない）。

その知的資産経営も、それに限定せず、中小企業等のコンサルタントも、たとえば、税理士や中小企業診断士の皆さんの目線は、どうしても財務からアプローチする傾向があるのは間違いないと思います（あくまでも、「から」と「傾向」）。その点、数少ない士業・専門家の中で、非財務からアプローチする傾向がある希有なそれが、行政書士で、行政書士が知的資産経営支援をするときの差別化になるのではないか、と最近は思っています（ただし、裏付けなし。あくまでも感触です）。

ただ、この非財務からのアプローチという目線は、収益を究極の目的としない団体の知的資産経営（ここでの「経営」は、本来の意味に戻って、決して収益をあげることではなく、事業を将来に向って継続させること）では特に大事ではないかというのが、私の持論です。

先におこなった、ぐんま知的資産経営研究会の第一回ぐんま知的資産経営セミナーでは、あえて地域資源の発掘と、文化団体のマネジメントを事例報告にあげました。
どうしても財務からのアプローチをすると、採算がとれるの？　というところに最後はいってしまう可能性があります。しかし、採算はとれなくても、ニーズに答えなければならない。公共の福祉なのか何かはわかりませんが、地域資源の活用はそのような側面がありますし、行政機関やＮＰＯのマネジメントはここがキモになるのではないでしょうか。文化団体の経営も、お金という業績以外に指標があり、それは企業会計の手法が直接は適用できない部分があります。

そんなところから、行政書士が知的資産経営支援を生業とする場合、他の支援者と比較して、非財務からのアプローチ（ただし、ここでも上記の逆がいえます。あくまでも「から」で、最後は企業支援の場合は、財務との両輪の関係は不可欠です）、行政、ＮＰＯ、地域振興（それに参画する企業をとりこんだ「コミュニティビジネス」も含む）、文化団体等の知的資産経営にこそ、行政書士の支援ならではの差別化ができるのではないでしょうか。

これは行政書士の本来業務（あるいは主力業務）である、許認可申請のノウハウがストレートにいかされます。事務的に許可がとれさえすればいい、という行政書士はここでは論外として、クライアントの利益をはばひろく考えるならば、許可申請までのヒヤリングと分析、そして、許可をとったあとの活用指南、提案、メンテナンスを日常的におこなっているのが行政書士です。その、申請前のヒヤリングと分析、許可後の活用指南・提案・メンテは、知的資産経営支援そのものです。

本日おこなわれた日本行政書士会連合会の研修では、講師の中森教授は、戦略として、もともとある強みを強化する、強みを他に活用する、市場をかえる、そのあわせ技、というたとえをだしていました。また、行政書士の特性として、上記の許可取得までのヒヤリングが強みであることも指摘されていました。

どの士業も厳しい時代ですが、その活路として、許認可取得につかってきた強みを、他に活用して展開していくことまでも示唆されていたような気がしてなりません。

そして、支援者は経営者ではないとも。提案をするまでで、実行するかどうかは経営者がおこなうことです。
そのまま、中森教授は行政書士に提案を行い、それを活用するかどうかは「経営者」である行政書士にかかっている、と、暗にほのめかしていらしたのではないでしょうか。
私はこの提案は採用して、私自身の事務所は展開していきたいと思っています。

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