行政書士会の「伝達研修」考(伝達する側の一人として)
私は行政書士ですので、法律にもとづいて、群馬県行政書士会の会員です。
そして、各都道府県にある行政書士会を統括するのが日本行政書士会連合会。
行政書士会は会員に研修などで資質向上・担保する事業があり、日本行政書士会連合会は各都道府県の行政書士会がそれらをおこなうのに必要な施策をする形になっています。
そのひとつ、伝達研修という制度があります。
これは、日本行政書士会連合会が、各都道府県の行政書士会に対して、「研修を担当する会員を派遣しなさい。その会員に日本行政書士会連合会が研修するので、それをもちかえって、地元の行政書士会の会員向けに伝達しなさい」というような趣旨のものです。
実はこれ、大きな不合理があり、ほとんどが東京で開催されます。
そうすると、北海道や沖縄の行政書士会の方はいうまでもなく、各地の交通費やその日当というコストも発生するわけです。
そして、その研修を受けたひとが、各行政書士会でどのくらい伝達できるのか、という課題もつきまといます。
ですから、この研修に派遣された会員がきちんと伝達しなければ、旅費や日当は無駄になるし、不公平感もうまれます。
このような不合理の解消策として、ストリーム配信を使うことがテストされています。あるいは、一度は東京で行い、それを収録して各地でそれを使った研修をする、という方法もあります。
この投稿のお題は、ストリーム配信やDVDが伝達研修よりも常に優れているのか。
私自身、20年度のそれで派遣され、以後、年に1-2回、この伝達研修にでかけてきました。そして、それを地元で伝達研修をおこなってきました。
でも、研修中に突然挙手して、「東京できいてきたことをそのまましゃべるだけでお前は日当をもらっているのか」と発言されたこともあります。
他方で、あまり自分のオリジナルをくわえると、正確に伝達できるのか、という疑問も常に残ります。
ちなみに私はかなりオリジナルを付加して地元での研修を実施しています。それは、地域差があり、情報は生ものなので、3/1の伝達を9/1にやるならば、情報は改訂されていなければ意味がありません。また、受講生の「層」の違いもあるので、そのままそれこそきいてきたことをそのままでは、目的を達成できないし、このような不合理おかしても、伝達研修というシステムがあるのは、そこをカバーすることを期待されているからだとも思っているからです。
そのオリジナルを付加するために、ひとつの伝達研修に出席してくれば、それこそ当然に無報酬で、しかも自分で情報を収拾して、必要と思われるセミナーやイベントに参加し、情報の熟成の作業をしてオリジナルをつくっているつもりです。もちろん、自分自身の実務経験も公表可能な形に整えて付加します。それは、講師を依頼されたものの責務としても当然ととらえてのものです。
とはいえ、当の、派遣される側も先述のような疑問や不安? もあります。
そんな私の私見は、科目によっては、直接ストリームで配信する方がよいものもあると思いますが、そうではなく、受講した派遣された講師が、みずから再構築してこそのものもあるというところです。
その責任はしかし、そうとうに重い。
正確かつもれることなくつたえることと、それが地域特性、地元都道府県の受講生の特性にマッチするように再構成できなければ、DVDやストリームの方がよい、ということになります。極論、それが成功するか否かで、地元の同胞(同じ行政書士の皆さんの)発展、活躍にストレートに響く可能性すらあるわけですから。
でも、私自身、行政書士は飽和ではない、は開業したときからの持論で、ひとりでも多くの活動する同胞がふえることが、結果として自分自身の利益になるとも考えています。「コヤマは○○ができる」という宣伝・広告の効果よりも「△△という集団は○○ができる。そして、コヤマはその△△の一人」という宣伝・広告の方が楽だからです。だから自分のもつ情報はすべて、ノウハウもすべて開示して研修は実施しているつもりです。それについて「出しすぎだよ」と助言してくださった役員もいますが、情報やノウハウ。伝達してそのまま使うためには、コヤマという人的資産がバックにあります。そのままでは使えません。それをきいた方が、自らの資産とリンクさせて加工して使うわけですから、コヤマはなにも失わないわけです。そして、情報は常に生ものですから、公開した情報は既に過去。常に次を考えなければ、みずからの知的資産経営ではありません。
と、いう考えの下、私なりに全力で地元の研修を担当してきたつもりですが、来年度はどうするか思案中。
もちろん、私の能力不足は否定しませんが、どうもこのブログ投稿のような想いや気持ち、目的は伝わっていない部分があるようで、最近、「なんでコヤマばかり」という声も正直なところ、明確に聞こえてきます。(その批判は受け止めますが、一言だけ反論させていただくならば、伝達研修で受けた以上の情報は発信しているとの自負はあることでしょうか。ですから、それが無意味だということであれば、その批判はごもっともです)。
ただ、そんな批判をうけてまで、自分の仕事の時間を割いて出席し、追加の情報を収拾する必要はまったくないし、そんな義務をみずからすすんで受ける必要はない。なので思案中…。
さて以上は見方によっては、かなりきわどいことを書いていますが、それほど読者も多くないこのブログ。
また、他人の批判をしている部分はないと思いますので、自分の考えの整理として、記録に残す意味であげました。
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