のんちゃん(nongun)の日記

中間管理職？？

昨年Ｓ１７を買ったけれど、もともと自転車は好きでした。

そして、交通事故相談を仕事にして、ここ数年自転車事故が増えているのは間違いなく感じます。自転車がひかれるのではなく、自転車同士あるいは自転車が歩行者をひく事故です。知人の娘さんが、自転車で死亡事故を起こしてしまったこともあり、自転車と歩行者の事故というのは、これからの課題だと常々思っていました。

先日もそのながれの中で、テレビが自転車事故をとりあげていました。しかしその論調たるや、自転車が全て悪い、という感じのものです。

Ｓ１７を買って、久しぶりのやや遠出をしたのが昨年の夏。あのときほど、自転車は車道を走りづらく、歩道を走りたくても自転車が自転車らしく走れるようになっていないことを改めて実感する機会はありませんでした。

歩道は原則通行禁止、というのは、最近少しは知られてきたようです。そして、自転車通行可とされる場合も、歩行者優先ということになっていることも知られてはいるようです。
もちろんそのような中で、「自転車らしく」走行して歩行者をけがさせることはあってはなりません。その限りでは、自転車が悪い、というニュースやワイドショー報道はやむをえない。

が…まずは、歩行者がいない状況では自転車は別に普通に「自転車らしく」歩行していいわけですが（特に群馬の田舎の歩道は、歩行者がいることのほうがめずらしい）、自動車が歩道を横断しやすいように歩道は頻繁に段差があります。そうすると、速度にしたら、５−６ｋｍで自転車は走行しないかぎり、年中ジャンプしてがたごとと走るはめになります。あげくの果てに、整備されていない歩道は、昨年の夏は、雑草だらけ。雑草がのび放題のびていて、歩道を走れないことすらありました。これは、歩行者だって歩きづらい状況ですから、歩道の不整備以外なにものでもありません（ちなみに、私が昨年これを強く経験したのは、すべて国道でした。５０号とか、３５４号とか）。

ここまでは、道路管理者が悪いだけ。

歩行者が通行している歩道は、本来自転車だってできれば車道を走りたいところです。歩行者がいるときは歩行者優先で徐行…となると、ほとんどおりて押して歩くのとかわりなくなってしまいます。自転車が「自転車らしく」走ることができないわけです。

しかし、車道を走ろうものならば、クラクションを鳴らす車あり（ちなみに、クラクションは鳴らすことが許可されているところ以外で鳴らすこと自体が違反なのですが）、幅寄せするなり、あからさまにエンジンを更かしてあおる…などは当たり前の世界です。こんな中で、車道を走れるはずがありません。

自転車は中間管理職なのか…。いや、もっとひどく、保険外交員のおば様たちをおだててなだめて、上からはガンガン言われる保険会社の男子社員？？（と、いうイメージが私にはあるのですが）。

自転車愛好家のみなさん、決して傲慢にならず、譲り合いの精神は残したまま、もっと積極的に車道をみんなで走りましょう！　自転車が車道を走るのが当たり前、という認識を、自動車運転者がもってくれれば、車道を走りやすくなります。そうすれば、歩道を恐る恐る走る必要もないし、間違ってあってはいけいないことですが、歩行者に危害を加えることもなくなります。自転車通行禁止とされている車道以外は、すべて、積極的に車道を走りましょう。そして、それでも、四輪自動車の運転者が自らの傲慢さ（自転車を邪魔者扱いすることは、四輪車の傲慢です）に気づかないで、自動車が自転車をひく事故が増えるならば、きっと自転車通行道の整備もしてくれるでしょう。
そもそも自転車が歩道を例外的に走行できるのは、自転車専用道が未整備だったので、それが整備されるまでの限定的なものだったはずです。それが、昨年の道交法改正では、自転車道整備が進まないからと、年齢で分類して、歩道を走ってよい対象を増やす方向に向かってしまいました。この結果、歩道で自転車が歩行者をけがさせる事故が増えたならば、自転車が悪いという前に、国家の道路政策の誤り、怠慢のほうがよほど本質的で重要で、責められるべきことです。
（そういう意味で、上記のテレビの取り上げ方は、そのような目線がうまれないように、国交省の根回しで、自転車が悪い、というように仕向けたのではないかな？？）。

今日は自動車を運転していましたが、前を走る自動車が高校生の自転車にクラクションを鳴らす始末。十字路をわたった先で、歩道に入らず、車道をはしった自転車に対してです。が、ここは「自転車通行可」にはなっていますが、幅員１ｍもないような歩道で、前には親子づれがすでに歩行を通行していました。このような状況で、自転車が車道を走ることはなにも落ち度はないし、責められることはありません。しかし、歩道を走らないのが悪い、といわんばかりのクラクション。

こんな光景がなくならなければ、自転車事故はなくならない。
交通圧倒的強者の車にまくしたてられ、交通弱者からはけむたがられて…と、中間管理職のような自転車を愁うのでした。

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