単なる演奏会の感想その2
単なる感想が2つ続きます。
先日は、発足から4年前まで所属していた高崎コスモス合唱団の第5回定期演奏会でした。
発足から半年くらい以降ご指導してくださっていた先生(以下、「旧指揮者」)が、この演奏会をもって勇退、ということもあり、いろいろな意味で高崎コスモスの区切りの演奏会になるだろうと予想して足を運びました。
正直なところ、合唱の演奏会でのソロとか、それが多い曲はあまり好きではなく、第一ステージはメサイアの抜粋で半分がソロということもあって、演出、選曲的には私は好きではありませんでした。が、みんな、かつて一緒に歌っていた連中が、新指揮者となるボイストレーナーを迎えて1年あまり練習してきた結果のソロですから、そういう意味では注目。
感想としては、過渡期という印象です。素人ながらも悪い点と認識していた部分は大分治っていたように思いますが、その先の個性もないし、まだ、自分らしさが出きっていないという意味です。でも、過渡期という印象・感想は、よい方向に向かっているなー、という意味の方が大きく、これからが楽しみというところでした。
ちなみに、最後はメサイアの中でも有名なハレルヤ。これほど有名な曲なのに、なかなか綺麗に演奏している団体にはめぐりあえない、実はある意味すごい難曲だと私は思っています。今回は、少々パートバランスの問題はあったように思いますが、今まで聞いたことのあるハレルヤの中では、一番満足のいくものでした。
第二ステージは、新旧指揮者の交替の演出を交えての演奏。ここが一番コスモスらしさが出そうな曲目でもありましたが、ちょっとそこは不発でした。これは新指揮者の意向なのでしょうか…。ただ、演出が不発はよいのですが、「売り」の若々しさや、よい意味の荒々しさのようなものはなく、こじんまりまとまってしまった、という感じが、4年前までの団員としては感じます。でも、考えてみると、4年前ということは、もう3分の2しか在籍していなかったわけで、残り3分の1でカラーがかわって当然です。そして、こじんまりしている印象も、第1ステージと同じく、きっと過渡期なんだろうな、というところでしょうか。
最後のステージは、思い出の曲…というわけで、私も歌ったことのある曲ばかり。でも、もはや大分前なので、あら探しするほどおぼえていませんし、そんな趣味も指向もありません。
ただ、在籍していたころ、いろいろなことが重なって、財政的に裕福な時期がありました。そんなときに、今のこの合唱団は、発声が一番大事だ、と感じて、お金かけてもボイストレーナーを定期的に呼べないか、という提案をしたことがありました。悔しい? ことに、私が退団してからそれが実現したわけで、矯正された声で、かつての演奏曲を歌ったらきっといい演奏になるだろう、というような期待があってのステージです。
そして、この期待は裏切りませんでした。これも、以前よりちょっとはじけ方が足りなくなった感じがありますが、繊細さも感じられるようになって…。こう感じた瞬間ばかりは、「うらやましいなー(もっと早く私がいる間にやってよ)」が本音です。
そしてアンコールは、もう、当然この曲でしょう、という2曲。コスモスのレパートリーとしては最新と最古の2曲です。ピアニストの先生も、新指揮者も、旧指揮者の指揮で全員で歌う様子は、いよいよこれで引き継ぎなんだな、ということも強く感じさせます。
こういう演出の中だと演奏なんかどうでもいい、とは思いますが、しかし、具体的な名前をあげてここまで書いていませんが、新指揮者は、プロの合唱歌手です。ちょっとパートバランス的に少ないな、と思うパートに、一人加わるだけで、こんなにハーモニーは整理されて綺麗になるのだな、とつくづく感じる2曲でもありました。合唱は一人でもよりよい演奏にもできるし、一人でも全てを壊すことができる、というのは、まさにそのとおり、という感じ。
退団してからはお決まりのように(社交辞令でしょうけれど)「戻ってこない?」と何人かの団員も、新指揮者さえも言ってくれます。「とても壊してしまうから戻れない」と、いつも答えていますが、これはかなり本心です。そして、それはますますこの日ばかりは感じました。
そんなに私は器用ではありませんから、4年前までの雰囲気と声質(発声)とで、今、戻っていったら、確実に壊してしまいますね…。
でも、とはいえ、退団した後は、私自身、本当に戻ってきてほしいな、と思われるくらいのレベルになりたいとも思い続けていましたし、それなりにやっているつもりなのですが…今日の演奏を聞いていると、独学では差は開くばかりということを思い知らされたような気もします。
おわってみて、旧指導者が指導している別の団体で、今は歌っているのでつながりがありましたが、この日を境にこれもなくなるわけです。
「ちょっと特別なつながりのある、応援している団体」から「一ファン」にこれからなっていくのかな、という予感をなんとなく感じ、それが寂しくもあり、逆に前向きに進んでいこう、と思いなおすきっかけにもなる…そんな演奏会した。
そういう意味では、「単なる感想」ではない「特別な想いの感想」なのでした。
(高崎コスモスの団員がこのblogを見ることは、確率としてはほとんどないと思いますが、もし、不適切な表現があったらコメントなりメールでご指摘ください)。
この記事のトラックバックURL
./tb.cgi/61
198.100.144.30 ks4001601.ip-198-100-144.net
198.100.144.30 ks4001601.ip-198-100-144.net
ニューバランス M1010 D http://nekogun.sakura.ne.jp/newblance.php?list=13