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2009年 8月 26日 (水)

歓迎できない制度導入


群馬県が、「思いやり駐車場制度」というものを8月3日に導入しました。
思った以上に普及が早いようで、高崎市福祉センターの該当駐車場は、このカードを掲示した自動車で一杯…という状況にもあいました。

これは、よく、施設の入口近くにある椅子に座った人を形どった駐車場(このようにこのマークを表現する理由は後記)を、思いやり駐車場とネーミングし、そこを優先利用できる人として、一定の基準を満たした人にカードを交付するという制度です。そして、ここに駐車する場合は、このカードをミラーにかけてください、というもの。

もちろん絶対的な強制力はありません。このカードをもっていない人でも、体調が悪いときなどは、このマークのある駐車場に駐車することは虚有することとしています。

たぶん、椅子に座った人を形どった市販のマーク(このマークそれ自体にはなんの制限もないので、誰でも購入できるため)の駐車場に、健常者が駐車することを防止するために導入した制度なのでしょう。

でも、全国をみると、シルバーシートを廃止する私鉄が出てきています。私が小学生だったころにできたシルバーシートですが、自分より高齢、いや、お年寄りと思われる人が前にたっていたら譲るという習慣が大分定着してきました。実際、私も電車にのっているとそう思います。そして、もともとシルバーシートには批判もあったからでしょう。もはや、このようなものがなくても、自然に席を譲り合う、ということで廃止になったようです。

そんな時代背景もある中で。この制度導入は私は基本的に大反対ですが、それでも、実際に利用するとなると、私も「そこは車椅子専用でしょう」と、障害をもっている母の送迎なのにどなられた経験があるので、やむなくこのカードをもらってきました。

大きな過ちは、2つあると思います。

車椅子専用でないことをなぜアピールしないのか。
これは、旧日記にも書いたことで、県庁のロビーで、車椅子の団体の方が車椅子専用駐車場の啓蒙に関するチラシを配布していました。が、あれは、断じて車椅子専用ではない。障害者専用でもない。単に、思いやりにもとづいて、入口から遠いと困る人を優先するマークだと私は思うし、そうあるべきだと思っています。「椅子に座っている人を形どった」と表現しているのは、この点への反論です(ただ、これは国際的に通用するマークなのだそうです。が、日本の現状を考えれば、世界に向けて、車椅子専用と誤解を招く可能性があるから、障害・ハンディキャップある人一般だとわかりやすいマークを、という運動を、日本発でしてほしいと思います)。

なのに、今回の思いやり駐車場制度の説明やポスターには、「車椅子専用駐車場に」という表現が何度も出てきます。

(これはやや暴言ですが、車椅子利用者は、入口の近くに駐車場がある必要性はそれほど高くないと思われます。乗降に際して、ドアを大きくあける必要があるために、駐車スペースは左右に大きく余裕があることが必要なだけです。一度降りて、車椅子に乗れば、車椅子を押す方や自力で動かす労力は、たしかに健常者よりはあるかもしれませんが、(私も車椅子を押す経験がある者として)必ずしも入口の近くにないと不都合と感じるほど、今の車椅子は重く、不便なものではないと思うからです。だから、車椅子専用というならば、左右のスペースを大きくあけた駐車場を入口近くでなくても作ればすむことです。問題は、車椅子も使っていない歩行に支障を受ける障害者のそれの方がよほど深刻です)。

だからまずは、車椅子専用でないことをきちんとアピールしてほしい。なのに、チラシやポスターのタイトルは「思いやり駐車場」としているのに、その説明文に「車椅子専用」と書いていては、まったく意味がありません。

そして、問題の2つ目は、パンドラの箱をあけたことです。
シルバーシートと同様です。あるいば禁煙席と同じ。シルバーシートや禁煙席は、それを設置したがために、シルバーシート以外では高齢者などに席を譲らなくていい権利が生じたと勘違いする馬鹿が増え、禁煙席も、禁煙席以外であっても、近くにたばこが(少なくとも体質的に)受け入れられない人がいないことを確認して喫煙すべきマナーを壊して、「たばこがいやなら禁煙席にいけばいいだろう」といういいわけを悪質な喫煙者(悪質な、です。立派な喫煙者は今も少ないもののいらっしゃいます。こういう方の喫煙はむしろ応援してあげたい)を増やすことになったと思います。携帯電話も同じですね…。
そうすると、そういう誤った考えを持つ人が増えないようにすることに、むしろ労力を使うことになります(シルバーシートの廃止だって30年以上かかったのですから)。正しい制度の啓蒙と知識の普及は、人間は都合のいいように解釈しますからとてもむずかしい。なので、携帯、たばこ、シルバーシートと同じように、これをいいように解釈して暴挙に出る輩がふえないようにするという困難な問題が発生するというパンドラの箱をあけてしまったと思うわけです。

また、基準も納得がいかない。

たまたま母は、第一種第4級という障害認定を受けています。
が、この認定を受けるときには、障害手帳を交付する制度のさまざまな問題を感じました。第一種第4級(呼吸疾患)を受けているとはいえ、母のQOLを本当に下げているのは、他の疾患によるところがかなり大きいといえます。ただ、数値しかみない障害認定の基準では、「標準よりちょっと悪いだけ」を、たくさんもっている母のような状態では、一つ一つを単独で判定されてしまうために、認定そのものを受けることができない状況になります(ちょっと違うかもしれないが、交通事故などの障害等級は、併合という考え方があります。が、障害の場合は、これでいえば、14級に満たない障害がたくさんある状態。そうすると、保険会社は後遺症認定や後遺症に関する保障は一切してくれません。14級に少しみたない障害が複数あるときは、14や13よりもよほど生活には支障があるのに…)。母は、呼吸器に関する疾患で、たまたま4級に該当するほど、ほんの少し特出して悪い数値があったから、手帳の交付を受けられただけで、基準の数値を少しづつ満たないさまざまな他の障害のトータル・相互作用の方がよほど大きな問題です。
そうすると、くだらない画一的な基準を満たしているかどうかで、このカードの交付を受けられるかどうかがきまるのだとすると、このカードの交付の基準に問題があるように思います。まぁ、これを加えると、問題は3つでしょうか。障害手帳の交付を受けているか、その等級がいくつか、ということよりも、個別に生活レベル、QOLを調査して、交付するくらいの公平さがあればせめてよかったのに、と、ここは感じます。

私はカードをいただいてきましたが、基本的には、母を入口で下ろしてそこで待機させ、私は遠くの駐車場に車をおいてくる、というスタンスはかえるつもりはありません。母も大分ひどいものの、一人で人をまつことができないような精神的な障害をもっている方もいるでしょうから、こういう方は、入口で下ろして、車をおいてくるまで待つという行為が不可能です。そういう方のために、入口近くの「思いやり駐車場」はとっておくのが思いやりだと思うからです。

ただ、それにしても、QOLの低い人の乗降を想定していない入口ばかりの施設は、最近増えているように思います。高崎駅もしかりで、バスが駅のエスカレーターやエレベーターの前にあったり、(他の駅でいえば)公共交通以外は進入できないようなロータリーがあったり。バスを使える人は、はっきりいってかなり元気です。障害でなくても、介護の目安とされる基準だって、一人でバスに乗降できるということは、かなり高いQOLをもっています。それよりも低いQOLの人を自家用車で入口近くにつれていけないなんて、おかしいと思うのですが、こういう批判は出てこないですね…。
そういう施設に母をつれていくときは、このカードを積極的に使うつもりですが、母の自尊心のためにも、これは最後の手段にしたい、というのが本当のところです。

考えてみると、20年ほど前になくなった祖父が、信仰のために東京に出ていくのが日課でした。が、当時は、バリアフリーなんて発想すらなかったですから、通勤客の便宜優先の赤羽駅の改築をきっかけに、電車の乗換ができないと断念しました(今や、この程度は大きなターミナルではめずらしくなくなっていますが、2Fから一度BFにおり、さらに2Fへいくという乗換でした。現在の上野駅よりマシか? でも、上野は少なくともエスカレーター程度はついていますね)。

今も母が、東京駅のタクシーに乗るのに相当苦戦しています。JRの駅は、案内がほとんどない。経費節減のために人件費をけずるならば人がいなくても、あらゆる人が迷わない、かつ、効率よく乗車できる環境を作ってからにしてほしい。それができないならば、案内や介助のためにホームに駅員やボランティアをおくのは、当然のサービスだと思います。いわば経費節減のためにウェイターをおかずに、100km先まで料理をとりにこいといっている料理店のようなもんです。が、駅員は、今、東京駅をおりたときに見つけることはできるでしょうか。

ついでながら東京駅は、工事中とはいえ、もう4年近い工事です。こんなに長期ならば、暫定的な床、階段、通路であっても、非健常者の通行に配慮してほしいと思います。が、今の東京駅はなんというありさまか。東京オリンピックはどうせ落選すると思いますが、万が一東京オリンピックとなれば、2016年までに、それらも徹底的に配慮した、福祉都市東京をアピールするのでしょう。が、2005〜2010年くらいの散々たる扱いがあってのそれであることを、正直に表明して、せめてあの使いづらい駅、しかし、日本の、東京の玄関のありさまを反省してほしいと思います。いずれにしても、東京駅が改善していくのと、母のQOLの低下との競争で、母の唯一の楽しみの東京行きがいつまで続けられるか、という感じです(なんと悲しい)。

東京は世界福祉最悪の駅だー! は小さい声での大きな叫び。

最後はちょっと脱線しましたが、もっとも思いやりをなくす可能性がある思いやり駐車場制度を導入してしまった群馬県(それと、それと相互提携した、福島、栃木、山形県は、思いやりがなくならないように、パンドラの箱をあけた責任をとるべく邁進してほしいと思います。

T R A C K B A C K
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C O M M E N T
“No, no,” I fulminated, “it’s precisely because it can’t be acquired that the best men?the men like . . . ” I stopped suddenly, impressed by the idea that the thing was out of tone. I had to assert myself more than I liked in talking to Churchill. Otherwise I should have disappeared. A word from him had the weight of three kingdoms and several colonies behind it, and I was forced to get that out of my head by making conversation a mere matter of temperament. In that I was the stronger. If I wanted to say a thing, I said it; but he was hampered by a judicial mind. It seemed, too, that he liked a dictatorial interlocutor, else he would hardly have brought himself into contact with me again. Perhaps it was new to him. My eye fell upon a couple of masks, hanging one on each side of the fireplace. The room was full of a profusion of little casts, thick with dust upon the shoulders, the hair, the eyelids, on every part that projected outward.
ティファニ 指輪 http://ath-biz.jp/tiffanycoo.php
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ティファニ 指輪          [2013/11/12(火) 07:21] [削除]
It’s a good deal to him, I answered.
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