趣味として合唱を初めて早8年‥。 戦後日本の邦人作曲家による作品は、明示的・黙示的を問わず、反戦というテーマがあるような気がしてなりません。
私は音楽でも絵画でも‥あらゆる芸術で、特定のメッセージを込めることは好みませんが、合唱音楽においては、反戦というジャンルがあるのはどうやら否めないようです。
最近行ったり購入したCDの合唱曲のうち、「原爆小景」(原民喜作詞・林光作曲)と、「死んだ男の残したものは」(武満徹作詞・作曲)は、今年は、東京混声合唱団の生演奏でも聞いて、かつ、京都エコー/大久保混声合唱団のライブ録音のCDで聞いて、あらためて、戦争の無意味さを感じる8月となりました。
現実につきつけられたらわかりません。しかし今は、仮に召集礼状が私に来たら、それを拒否し、それによって死刑に処せられとしてもやむを得ないと考えています。他者を殺戮するかもしれない令状にしたがって戦地に赴くならば、非国民として処刑されることを選択する、という意味ですが、このような考え方を他人に押しつけるつもりはまったくありません。しかし仮に全世界の人間が、自分を犠牲にしても他人を殺戮することを否定する思想をもてば、戦争と殺人という発想はなくなるはずです。そして、それが少なくとも私の望む世界です。
イラクも北朝鮮も、アメリカも。核を保有する国とは国交を断絶しろ、といいたいくらいの気持ちになります。「原爆小景」を鑑賞したときには。アメリカでは、過半数が広島・長崎への原爆投下を正当化しているようです。そんな国と国交を維持しないと存続し得ない政治を続けて居る事自体が、政治不信というのが私の本音です。23+8万。30万以上の人間を殺してどんな正当化があるのか。
そんな課題があるのにたかだか郵政民営か否かで、わけのわからない政治を繰り返しているニッポン。しょせん、コイズミも、裕福な家で育ったぼんぼんなんだとつくづく感じる昨今です。せめて、8/15に靖国参拝して欲しかったな‥。
郵政のことより、イラクへの対応、北朝鮮(決して、拉致被害者を救うという意味ではないですが)への自分の巻いた種への対応、傲慢なアメリカへの対処。よほどそちらの方が大事だと思うのですが。
私が願うことはただ一つ。「正しい戦争などない」ということだけ。 「原爆小景」「死んだ男の残したものは」という、たかたがニッポンの現代音楽の第一人者である武満氏の作品を真摯に聞くだけでわかることを、全世界の人が認識してくれることを願うのみです。
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