って、なんでしょう。
証券会社が盛んに口にします。投資は自己責任だと。
今回のイラクへの渡航もしかり。
でも、よくよく考えてみると、よくわからない言葉です。 「責任」とはなんぞや? 法的責任は、法的根拠があるはず…権利・義務の関係よりはその厳格さはないものの、民訴法の根本理論には、「責任」という言葉は一つのキーワードになっています。すなわち、たとえば、証拠提出の義務はないが責任はある、等々。この場合、義務違反は「違反」「違法」だが、「責任を果たさない」は不利益を被るというような趣旨で使い分けられています。
そのような意味で「自己責任」の「責任」はどうももちいられていないように感じます。
一方、私が学生時代には、パターナリスティックな法の是非が問われていました。私の学生時代=バブル絶頂。法律も、余計なお節介をするだけの余裕があるほど、国も潤っていた、ということでしょうか。典型が、シートベルトの義務化です。シートベルトをしないで自動車事故で死ぬのは自由だ、が、この立法反対の典型例でしたが、さてさて、今におきかえたら、「それはもっともだ」と、この法律はできなかったのではないかと思います。
自己責任…因果応報は常にありますから、責任を果たしていないから不利益を被る、という図式は、おそらくはあるのでしょう。しかし、責任と不利益の均衡という問題もあります。典型的には、不利益>責任 の場合は、おそらく、政治的・政策的意味があり、自分に責任を負わされたくない人が、他人発生した不利益を正当化する口実として、「自己責任」という言葉が使われるのではないでしょうか。
もっとこの言葉を慎重に使い、また、使われた側は、慎重に吟味する必要があると思うこのごろです。
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